第16回トークライブセッション「教育資金のライフプラン」(前編)

スカラシップ(奨学金)アドバイザーでもある、福井の小林FP

今回のテーマは「教育資金のライフプラン~『進学資金シミュレーター』を使ってみる!」、

日本学生支援機構の「スカラシップ(奨学金)アドバイザー」でもある、福井の小林FPが話をします!

小林FPは、国の奨学金を運営する「日本学生支援機構」のスカラシップ・アドバイザーで、教育資金と奨学金についてのセミナーで講師もしております。

https://www.jafp.or.jp/shibu/ishikawa/seikatsu/seminar/detail/ishikawa/137

大学進学資金は人それぞれ

小林@福井:「子どもの教育資金」というのは「家の購入」「老後の生活費」と並んで、「人生三大支出」と言われています。

いつもは我々、無料のライフプランソフト「Financial Teacher System 8」でライフプランを作成していて、教育資金についても算定することができます。

「Financial Teacher Sysytem 8」の「子どもの教育費を入力」で設定する

「子どもの教育費を入力」の設定画面

幼稚園(保育園)から大学まで、それぞれ教育費を設定することもできます。
1年ごとに教育費を入力する「詳細設定」と、
全国の教育費の平均値を参考額として計算する「シンプル設定」があり、
参考額をもとに幼稚園・小学校・中学校・高校・大学のそれぞれの期間の額を入力することもできます。

ただ、「シンプル設定」はあくまでも参考額なので、実際にはどれくらいかかるのかを知っておく必要があります。
特に、2020年から「高等教育の修学支援新制度」が始まっていて、一定の要件を満たせば「授業料の免除・減額」「給付型奨学金の支給」を受けることができます。

文科省ホームページより https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm

2020年度は27万人が対象となっていますので、少ない数字ではありません。この対象になるかどうかで実際に必要な教育費は違ってきます。

これは、日本学生支援機構の「進学資金シミュレーター」で調べることができます。
今日は、その使い方をメインに話をしていきたいと思います。


「高等教育の就学支援新制度」とは?

小林@福井:その前に、日本の奨学金制度と「高等教育の就学支援新制度」度について少し説明させていただきます。

まず奨学金制度ですが、いわゆる国の奨学金、「日本学生支援機構」の奨学金と、各大学や自治体・民間団体独自の奨学金に分かれます。

そして「日本学生支援機構」の奨学金は「給付型」と「貸与型」に分かれます。

貸与型は無利子の「第一種」と有利子の「第二種」に分かれます。

そして「高等教育の就学支援新制度」ですが、

■授業料・入学金の免除/減額 と、

■給付型奨学金の支給 がセットになったものです。

そして、世帯所得に応じて、「満額支給」だけでなく「2/3支給」「1/3支給」と段階的に奨学金の支給/授業料の減額措置を受けられるようになっているのです。

一応「年収の目安」が書いてはあるのですが、夫婦共働きかどうか、扶養家族は何人かで対象になるかどうかが変わってきますので、「進学資金シミュレーター」で試算すると自分の家が対象になるかどうかの目安がわかるのです。

「進学資金シミュレーター」の使い方

「進学資金シミュレーター」は以下のサイトからアクセスできます。

https://shogakukin-simulator.jasso.go.jp/

「学生生活費シミュレーション」という機能と、「奨学金選択シミュレーション」という機能があり、今回は後者を選択します。

「給付奨学金シミュレーション」は、「生徒・学生の方向け」のものと「保護者の方向け」のものがありますが、この制度をより理解できるのは前者のほうなので、今回はこちらのほうでシミュレーションします。

今回はこのケースで計算します。

このような形で入力していきます。年収のほうは世帯主ではなく、「年収が低い方の人」の収入を入力します。今回のケースですと、配偶者・・・これから進学する長男の母親の収入を入力することになります。

ここで給与の「手取り金額」を入力してしまうと結果が狂います。あくまでも「額面の給与」を収入として入力します。

家族構成を入力します。このケースだとお母さんは世帯主であるお父さんの扶養家族になるのですが、ここでは「父母・働いている人を除く」人数を入力します。

同様に、進学先の大学の情報も入力して、シミュレーションを実行します。

シミュレーションの結果が出ました。

「第Ⅰ区分」あと満額の支援を受けることが出来るのですが、このケースだとお父さん=世帯主の収入が300万円で、「271万円以下」という要件を満たしません。

しかし、「303万円以下」という第Ⅱ区分には合致するので、授業料の2/3免除と、給付型奨学金の満額の2/3の支給を受けることが出来るということがこのシミュレーション結果でわかるのです。

毎月44,500円の返還不要の奨学金を受けることが出来るわけですね。

因みに、「貸与型奨学金」も併用することが出来ます。

因みに、このシミュレーターはあくまでも試算のためのものですので、実際に「修学支援新制度」の対象になるかどうかは審査結果次第となります。

(このサイトから抜粋)

https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/document/__icsFiles/afieldfile/2022/05/10/kyuuhusyougakukinr4.pdf

家族の「収入」だけでなく、奨学生本人に収入がある場合や、「資産」が基準を超えている場合にも判定結果に影響があります。ファイナンシャル・プランナーは、そういった部分も考慮してアドバイスをするべきですね。

(後編に続く)

関連記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP