第15回トークライブセッション「実家の空き家問題を解決する」(後編)

「空き家」を「ロケ地」にする、という選択肢

(前編はこちら)

伯耆原@群馬:空き家をロケ地に利用する、って具体的にどんな感じなんでしょうか?

細井@吉祥寺:いろいろありますよ。私は今、「実家をロケ地にしませんか?」的なサイトを運営しています。既に3件の空き家がロケ地として利用されています。

「実家をロケ地にしませんか?」サイト

https://location-akiya-jikka.com/

そのうち1件は近々雑誌で、1件はインターネット記事で紹介されます。いい感じで使われていると思います。

ロケ地として使われたら、ずっと使われるわけではなくて、年に1度、ひょっとしたら一生に1度くらいかもしれませんが、一度でも使われると、「この家、〇〇のロケ地になりました」というセールスポイントになるんですよね。
そういう風に書くと、意外と興味を持っていただける方がおられるのではないかと思うんです。そこが狙いです。

あくまでも「空き家対策」が目的なんですよ。最終的に処分するための伏線を張っておくという感じです。

伯耆原@群馬:そうやって、マイナス受け止められがちな「空き家」が脚光を浴びるわけですね。

「空き家」を活用して、楽しく暮らす

小林@福井:「空き家」を活用して、知恵と工夫で楽しい生活が出来るのではないかと思いますね。細井さんの話を聞いていてそういうマンガがあったなあと思いだしました。
もう20年くらい前になるのですが、はた万次郎という、東京から北海道の下川町というかなりの田舎に移住した人の体験マンガで「ウッシーとの日々」というのがありまして、築何十年も経った空き家を月3,000円で借りて、部屋の中で犬やネコを飼ったり、家の中を改造しまくったり、蒔ストーブを入れて毎日プチ焚火的な感覚を楽しむ、というような内容です。中々面白いですよ。

佐藤@練馬 マンガと言えば、最近はアニメや漫画の舞台となった場所を訪ね歩く「聖地巡礼」というのがあるんですが、そういう感じで来てもらえればいいですよね。

どうやって「空き家」を探すか

佐藤@練馬:今、不動産の価格が上がっていて、中古物件にフォーカスされていると思います。「空き家」も中古物件と言えると思うのですが、「空き家」を探すためには、どういう所を見に行けばよろしいのでしょうか。

細井 私が空き家関係で見るのは、「空き家バンク」ですね。「at home空き家バンク」と「LIFULL HOMES 空き家バンク」をよく見ます。

「at home空き家バンク」 https://www.akiya-athome.jp/

「LIFULL HOMES 空き家バンク」 https://www.homes.co.jp/akiyabank/

空き家バンクって自治体ごとに運営されているんですが、それの全国版ですね。いろいろ特集組んだりしてるし、見てて楽しいですよ。

佐藤 「空き家」情報が世間的に流通しているんですね。「貸したい」という人だけでなく「借りたい」という人も結構いるのではないかと思うのですが、マッチングが不完全なような気がします。

細井 こういうの見るだけでも十分勉強になりますよ。

小林@練馬:「田舎暮らしの本」というそのものずばりのタイトルの雑誌があって、その中にも
田舎の空き家物件の情報が載ってます。物件情報雑誌というよりは、都会から田舎に移住した人の体験談的な雑誌なんですが。

「田舎暮らしの本Web」:https://inaka.tkj.jp/

「田舎暮らし」「DIY」は空き家問題解決のキーワード?

細井@吉祥寺:「田舎暮らし」というワードなんですが、私が運営しているYouTubeチャンネル「実家の空き家対策ドットコム」で、とびぬけて再生回数多かった回があったんですが、その流入元が「田舎暮らし」というワードから来ているんです。「田舎暮らし」というのは、空き家問題解決の一つのキーワードなのではないかと思います。

「実家の空き家対策ドットコム」YouTubeチャンネル:

https://www.youtube.com/channel/UC1snQVtAY4MQCaoTkUwITYw

山形@豊島:先ほど「DIY」というワードが出てきましたが、一般的にはリフォーム済みの物件に住みたいという方が多いのではないかと想像してしまうんですが、ご自身でDIYをしてでも借りたいという方は結構いらっしゃるのでしょうか?
細井@吉祥寺:どれくらいいらっしゃるか、というのは私はデータとしては持っていないのですが、 国土交通省から「DIY型賃貸型住宅のすすめ」というガイドブックが出ています。

https://www.mlit.go.jp/common/001127694.pdf

「実家の空き家対策」もライフイベントとして考える

鳥谷@福岡:実は先日、私の実家を売却したのですが、ただ売るだけでなくて「気持ち」の面も解決してスッキリするのが、「賃貸」形式も想定した空き家対策だと思います。

佐藤@練馬:FPというと数字でライフプランを考えがちですが、お客様の感情に寄りそうことも大事ですよね。

細井@吉祥寺:ライフプランという点では、目を見張るほどのキャッシュフローの改善は無いとは思うのですが、ライフプランの中に実家を「売る」「貸す」といった部分をライフイベントとして織り込んで提案すると、FPとしての価値は高まるのではないかと思います。「空き家」放っておけば朽ちますので、解体費用が必要になりますし。


今後も、「空き家になっている実家」の活用も含めたライフプランを考えていきたいですね。

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