【要約】第13回FPトークライブセッション「アラフォー新婚カップルの1年後はどうなった?」(後編):保険について

民間の保険は公的な社会保障の補完

佐藤@練馬:では、保険の説明のほうに移っていただいてもよろしいでしょうか。

小林@福井:保険については、相談者の方は収入保障保険と就労不能保険に興味をお持ちとのことでしたが、相談者の方の加入状況を踏まえて、自分ならどんな提案をするかという視点で資料を作っておりますので、ご説明させてください。

伯耆原さんからお聞きしている現在加入中の保険ですね。

保険の考え方なのですが、まず公的な社会保障というものがあり、足りない部分、自分で手厚くしたい部分を民間の保険を使って補完するという考え方です。

因みに今年、金融庁から保険募集の際には公的な社会保障について説明をした上でお客様の意向に沿った保障の提案をするようにとの通達が出ています。今まで説明していない募集人もいたということでしょうか・・・

まず、保険が備えるべきリスクは、このように3つのリスクに備えることになります。

「長生きのリスク」につきましては、既に個人年金保険に加入しておられますし、近年では資産運用でカバーするという考え方が一般的です。

病気のリスクにつきましても、公的な社会保障制度には高額療養費制度というものがあり、ひと月の治療費の支払いががものすごく大きくなるというようなことはありません。

個室に入院した場合の差額ベッド代などは対象外ですが、近年入院日数が短期化していますし、現在医療保障:県民共済に加入しておられます。

がんになった場合には治療が長期化する傾向にあり備えておく必要があると思いますが、こちらについてもがん保険加入しておられます。

死亡時の公的保障:遺族年金はそれほど多い金額ではない

ただ、この相談者の方、死亡保障については県民共済で800万円の死亡保障が60歳まであるのと、積立型の終身保険と、個人年金保険(途中で亡くなったら今まで払ってきた保険料分が支払われる)しか保障が無いんですよね。

一応厚生年金から「遺族年金」が出るのですが・・・金額的には多いとは言えないんですよね。

また、住宅ローンで「団体信用定期保険」に加入しておられるので、世帯主の方がお亡くなりになられた際には以後のローン支払いが免除されるので、住居費の支払いが減少するというのは加味してもいいと思います。

ライフプランソフトを使って、必要な保障を計算

さて、我々がいつも使っているライフプランソフト「Financial Teacher System8」には、万が一の時の必要保障額を計算する機能があり、これを使ってみました。

これは、配偶者の方が何歳まで生きるかによっても必要な保障額が違うのですが、例えばお子さんがお生まれになって、世帯主の方が今すぐにお亡くなりになったケースを考えてみます。

配偶者の方が85歳まで生存した場合、約4000万円保障が不足することになります。

遺族の方の生活費をカバーする「収入保障保険」

いわゆる生命保険に加入することで、この不足分を埋めていく訳ですが、死亡保険金〇千万円という保険に入るよりも、お亡くなりになった時に月々〇万円出るという保障に入ったほうが必要な保障に則していますし、保険料もお安くなります。このタイプの保険を「収入保障保険」といいます。

例えば、世帯主:契約者の方がお亡くなりになった時に月15万円出るという保障に入ったとすると、

加入してすぐにお亡くなりになった場合にはトータルで4000万円近くの保険金が出ます。

某保険会社の場合、健康状態にもよりますが、非喫煙者の方の場合ですと月々の保険料は5,280円です。

そして、配偶者の方が85歳まで生きたとしても、保障額は不足することはありません。

「働けなくなった時に必要な保障額」は死亡時よりも大きい

あと、この相談者の方は「就労不能保険」に興味をお持ちのようですが、実は病気やケガで働けなくなった時に必要な保障額って、死亡時よりも大きいのです。

働けなくなった時には、最初の1年6カ月間は健康保険から「傷病手当金」というものが出ます。これは月収の約3分の2です。そして以降は厚生年金から「障害年金」が出るのですが、これまた金額が少ないのです。

そして、世帯主がお亡くなりになった時には本人の生活費は不要になるのですが、病気やケガで働けなくなった時には、生活費は引き続き必要になるのです。

そこで近年、就業不能保険というものが注目されているのですが、病気ケガのリスクというのは職業によっても違うでしょうし、住宅ローンの団体信用生命保険でもある程度カバーしている商品もありますし、どういう商品が必要なのかは一人ひとりによって違うのではないかと思います。

・・・と、私の説明だけで時間が来てしまいましたね。保険については、これだけでトークライブのテーマになるくらい奥が深いですね。

(完)

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