【要約】第6回FPトークライブセッション(後編)

老後資金には余裕があるけど・・・

佐藤@練馬:私がこのご夫婦について気になっているのは、お金の量というか老後の生活資金の不足について気にしておられるようですが、それだけでなく、ご主人が亡くなられた後の資産の管理についても考えておいたほうがいいと思います。

細井@吉祥寺:率直に言って、老後資金そのものについては余裕だと思います。ただ、それだけでなく、余暇というか生活費以外にやりたいことのためにお金を使ってもいいのかなと思います。

上山@宮崎:ご主人のほうは趣味があって、老後は趣味を楽しむ生活をしたいそうです。

小林@福井:お孫さんはいらっしゃるのでしょうか?

上山@宮崎:話には出てこなかったですね。多分まだだと思います。

鳥谷@福岡:資料を見ると、ペットを飼ってらっしゃるみたいですね。あと旅行代も年に6-7万見込んでいるようです。

小林@福井:その金額だと年に1回行くくらいでしょうね。ライフプラン作ってみて、生活費には余裕があるということがわかったので、例えば生活費を月20万円くらいでシュミレーションし直してみるのもいいのではないかと思います。

因みに旅行とかはいつでも行けるわけではないんですよね。夫婦どちらかが体調崩したりすると中々行けなくなります。一般的なことを言うと、やりたいことが出来るのはあと10年くらいだと思います。

山形@豊島:自分たちだけでなく、どちらかの親御さんが介護状態になって動けなくなると、自分もあちこちは行きづらくなりますよね。

上山@宮崎:シュミレーションしたことでご相談者様も老後の生活費にはある程度余裕があることがわかったので、ライフプランシュミレーションしてみるのは不可欠だとあらためて思いました。

老後の資産運用で注意すべきこと

小林@福井:保険の話に戻りますが・・・ご主人がお亡くなりになられたら年金の額は減りますが、住宅ローン返済も子育ても既に終わってますし、生活費も2人が1人になれば減る訳ですし、貯金とか確定拠出年金とかつみたてNISAとか資産も十分にあるわけですから、ご主人がお亡くなりになった時の死亡保障はこれ以上はいらないと思います。

ただ、、ご夫婦のどちらかが介護状態になったら施設に入られるご意向とのことですが、その費用についてはまったく読めません。介護の費用は介護の度合いとか期間とか入る施設とか、状況によって全然違います。全然介護状態を経ずにお亡くなりになる方もいれば、10年20年と介護状態が続く方もいる。ライフプランシュミレーションでどうこうなる範疇ではないです。それを言い出すと親御さんの介護費用はどうなる?という話が先に来るわけですが、これも全然わからない。対策を立てるとしたら、本人が認知症で意思能力が無くなった時に備えて家族信託などの手続きをしておく、などの方法になると思います。

※「家族信託」とは
資産を持つ方が、特定の目的(例えば「自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付」等)に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。いわば、「家族の家族による家族のための信託(財産管理)」と言えます。

家族・親族に管理を託すので、高額な報酬は発生しません。したがって、資産家のためのものでなく、誰にでも気軽に利用できる仕組みです

(一般社団法人 家族信託普及協会のホームページより抜粋)

https://kazokushintaku.org/whats/

鳥谷@福岡:このご夫婦、確定拠出年金に加入されていて、65歳で一括受取されるわけで、年利4%で計算して900万だったと思いますけど、その他にも積み立てNISAとかされているので、このあたりをどうするのかを、佐藤さんとか詳しい方にお聞きしたいのですが。

佐藤@練馬:資産運用に関しては、かなり資産に余裕のある方なので、これ以上無理して運用しなくてもいいような気がします。資産を現金にして、シンプルにお金を管理出来るようにしたほうがいいと思います。資産運用を続けて、何かあった時にめんどくさいことになりかねないので。

上山@宮崎:確定拠出年金はある時点からはいつでも現金化して手元に置くつもりのようです。一方でつみたてNISAについては20年間という枠があるので、その間は毎月投資を続けていこうというご意思です。

佐藤@練馬:そういう意向であればそれでいいと思います。ただ、どちらか一方がお亡くなりになられた時に、どんな運用をしていたのかわからないとか、どうやって解約すればいいのかがわからないというようなケースがよくあります。

要らない口座があったら今から集約したり解約して、残された方にわかるようにしておいたほうがいいと思います。これから口座持つだけでもお金がかかる時代になるわけですし。相続の際、よくわかってないご遺族の方に付け込んで、とんでもない金額をバクチのような金融商品につぎこむことを勧めるような金融機関もあるみたいなので・・

「デジタル終活」が必要な時代

細井@吉祥寺:私も終活にかかわることが多いのですが、最近「デジタル終活」の必要性を叫ぶ人が多いです。ネットで金融資産を運用していた場合、ログインIDとパスワードの控えが無いままご主人に万が一のことがあったらかなり面倒なことになります。「デジタル終活」という考え方も持っておいたほうがいいと思います。

佐藤@練馬:子どもが親の資産を何とかしようと思って金融機関に言っても「本人でないと」と言って断られますからね。

山形@豊島:そもそもどこに口座があるのかすらわからないというケースもあると思います。

佐藤@練馬:よくあります。特にネット口座の時代になると増えるでしょうね。

鳥谷@福岡:貸金庫にお金だけでなくて、資産に関する情報を紙に書いて預けておくという手もありますね。

山形@豊島:貸金庫けっこう人気なので、空きが無いとも聞きます。そもそも減ってるみたいですし。

佐藤@練馬:これを機に、どこにどのような資産があるのかというのを家族とコミュニケーションしておくべきなのでしょうね。聞いてますとご夫婦、資産の管理にちょっと不安があるような気がします。

小林@福井:ちょっと早いかもしれませんが、終活というのは考えておくべきでしょうね。

細井@吉祥寺:早くないです!ちょうどいい・・・というか、60代なら遅いくらいです!

(完)

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