【要約】第11回FPトークライブセッション「18歳新成人が知っておきたいお金の話」<アパートの契約>

今年から成人年齢が20歳→18歳になる

2022年4月1日より、成人年齢が20歳→18歳になりました。

それまでは、18歳以上20歳未満の人は親権者の同意が無いと様々な契約が出来なかったのが、これからは出来るようになります。

(政府広報より)

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html

今月来月と、18歳新成人が知っておきたいお金の話を2回に分けてトークライブしていきたいと思います。今回は「アパートの契約」「結婚」「スマホ」の3つのテーマについて取り上げました。

東京・吉祥寺の細井FPが、アパートの契約について解説

東京・吉祥寺で活動している細井FPは30年以上不動産の仕事に携わっており、空き家や相続問題に特に力を入れていますが、賃貸物件の仲介も行っています。今回は、アパートの契約について留意すべき点についてお話をさせていただきます。

株式会社ほそい住宅FPのホームページ https://hosoifp.net/

「物件のチラシ」に書いてあることを読み込むのが基本

細井@吉祥寺:アパートを探しに不動産屋に行くと、必ず物件のチラシ・・・「物件概要書」というものがあります。こちらにお金まわりのことも記載されているので、これを読み込むことが大事です。

項目別にご説明していきます。

(架空の物件の資料です)

①賃料

②管理費・共益費

インターネットの賃貸物件のサイトなどでは①賃料 が記載されていますが、実際には②の管理費/共益費も発生します。これは共用部分の清掃など管理維持に必要な費用で、毎月必ず発生します。①②ともに、初月分は契約時に支払うのが一般的です。

③敷金 契約時に預けるお金です。退去時には戻ってくるのですが、「備考」欄に書いてある通り、退去時のクリーニング費用がこちらから差し引かれる場合があります。事前に確認しておきましょう。

④礼金 こちらは契約時に支払って、戻ってこない費用です。

⑤家賃保証 借主が家賃を支払えなくなった時に支払いを肩代わりする「連帯保証人」を立てるケースが多いのですが(親族の場合が多い)、「連帯保証人」を立てられない場合には、このように保証料を支払うことで連帯保証人の代りにすることができます。

⑥更新料 契約時には発生しませんが、更新時には更新料が発生することが多いです。この物件の場合には2年毎に発生します。更新料は最大でも家賃一カ月分プラス消費税、というルールがあります。

⑦家財保険 建物についての火災保険は家主が加入しています。ここで言う保険は借主の家財:持ち物や、他の住民に被害を与えてしまった場合のための賠償保険となります。

⑧鍵交換費用 住民が変わる都度、鍵交換費用を請求される場合があります。発生するかどうか確認しておきましょう。

月々の賃料以外に、入居時の費用が結構かかる

まとめますと、毎月の賃料が52,000円の物件の場合でも、最初に支払うお金は

①初月分の賃料 52,000円

②初月分の管理費/共益費 2,000円

③敷金 52,000円(退去時に戻ってくる、ただしこの物件だとクリーニング費用が差し引かれる)

④礼金 52,000円

⑤家賃保障 37,800円(連帯保証人がいれば発生しない場合もあり)

⑦家財保険 いくつかプランがありますが、20,000円のものとして計算します

⑧鍵交換費用 18,000円(退去時に敷金から差し引かれる場合もあり)

合計;238,000円 が契約時に発生します。更に、地方から出てきている場合だと、物件探しのための交通費も発生します。

契約関係の書類を読み込み、わからない所は聞くことが大事

佐藤@練馬:私も転勤であちこちの県に行きましたけど、鍵の交換については説明してくれないところのほうが多かったですね。

細井@吉祥寺:鍵交換が発生するかどうかは物件次第ですね。退去時に敷金から差し引くところもあります。敷金からクリーニング費用が差し引かれる特約があるところもありますし。

佐藤@練馬:そういうのって、契約書に書いてあるものなのでしょうか?

細井@吉祥寺:書いてあっても読まない場合が多いですね。契約関係の資料はとにかく読み込んで、わからないことはうやむやにしないで不動産業者にちゃんと聞くことが大事です。

佐藤@練馬:業者選びのポイントみたいなものってあるんでしょうか?名の通ったところのほうがいいとか・・・

細井@吉祥寺:そういうわけでもないですね。アナログな話になりますが、規模が小さくても借りる人の立場に立って考えてくれる人を選ぶべきですね。感覚的に見抜くということになりますが。仲介手数料無料という不動産業者もありますが、ちゃんと入居時の手続きをしてくれるかどうかということを念頭に入れておくべきだと思います。

小林@福井:ある程度物件の目星をつけたら、現地を下見することになると思うのですが、下見のポイントってあるんでしょうか?

細井@吉祥寺:広告などである程度条件に合致したものを選んで下見すると思うのですが、事前に不動産情報サイトなどを見て描いていたイメージと合致しているかどうかですね。そのためには情報をしっかりと読み込むことが大事です。下見のポイントとしては、間取り図面と現状が同じかどうか、キッチンやトイレなどの設備がちゃんと使えるかどうかといったところは一つひとつチェックしていきたいですね。

小林@福井:周辺相場と比べて賃料が安いのは、何かあるということなんでしょうか?

細井@練馬:それも聞けばだいたい教えてくれます。私が実際に見てきた千葉の物件で、すごく安いのがあったのですが、階段が狭くて急でした。

小林@福井:安い物件でもいいかどうかというのは、自分がそういったところを許容できるかどうかですね。

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